【例文あり】講演会・研修会で役立つ司会進行と台本作成のコツ
講演会や研修会、セミナーの円滑な運営は司会者の力量にかかっています。大勢の人を前にすると緊張してしまう気持ちもわかりますが、事前の準備を入念に行うことで対策しましょう
この記事では会の本番を控えた司会者に向けて司会進行と台本のコツと例文について解説します。
目次
1.講演会を進行する司会の役割
司会進行を円滑に行う上でまず大事にすべきは司会の役割です。司会の役割は主に会の進行と、情報を伝えることですが、時には場を盛り上げることも仕事となります。
1-1.会の進行
会の進行における司会者の役割は、イベントを時間通りに始め、終わらせることです。これには、プログラムの流れを把握し、各セッションが予定通りに進むよう調整することが含まれます。事前にタイムスケジュールを作成し、必要に応じて講演者や参加者にタイミングを伝えることが重要です。また、予期せぬ遅延や技術的な問題が発生した場合には、臨機応変に対応し、スムーズな進行を保つことが求められます。
1-2.参加者へのアナウンス
情報の伝達や指示などを担います。これには、イベントのスケジュール、休憩時間、緊急時の対応方法など、参加者が知っておくべき情報を明確に伝えることが含まれます。効果的なコミュニケーションは、参加者がイベントに積極的に参加し、得るものが多い経験をするための鍵となります。
1-3.会場の盛り上げ
司会は講師が登壇する前に場を盛り上げる役割があります。中には会場の熱気を高める役割を担うケースもありますが、基本はメインイベントへの期待を高めることです。ユーモアを交えたり、関連する逸話を共有したりすることで、参加者の関心を引きつけ、記憶に残るイベントを作り出すことができます。また、参加者が話し手や他の参加者との間で積極的に交流するよう促し、質問やディスカッションを奨励することも、盛り上がりを生み出す上で重要です。
2.台本・原稿の作り方と文例
司会者は重要な役割を担いますので、事前の準備がポイントとなります。話す内容については事前に台本や原稿を作っておくと安心材料になります。
台本や原稿は、以下のように作成していくと効果的です。
2-1. 会場案内と注意事項
会場案内と注意事項は、参加者とのトラブルを防ぐためにもしっかり伝える必要があります。主に会場の使い方について説明するケースが多いです。非常口やトイレの場所、飲食、喫煙などについて案内しましょう。その他に注意事項がある場合も適宜台本に記載しておきます。
2-2. 開会時の挨拶
司会者の第一印象は重要です。
開会の挨拶がバッチリ決まれば、聴衆の心を掴むことができ、良い雰囲気でスタートできるでしょう。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。本日司会を務めさせていただく〇〇です。」
と参加者への感謝の言葉と自己紹介を入れます。
2-3. ゲストの紹介
ゲストスピーカーの紹介時に重要なことは、聴衆のゲストに関する理解を深め、その発表に対する期待を高めることです。次のような要素を含めることをおすすめします。
・氏名と肩書き
・専門分野
・経歴と実績
・講演のトピック
・講演との関連性
・個人的なエピソードや趣味
こちらが例文です。
それでは本日のゲストをご紹介いたします。
〇〇大学で〇〇を研究されている、〇〇先生です!
〇〇先生は、〇〇大学で博士号を取得後、〇〇〇〇〇の研究をされています。
特に、〇〇〇〇の研究は、国際的な評価を受けており、多数の学術雑誌に研究成果を発表していらっしゃいます。
本日の講演では、「〇〇〇〇」というテーマで、先生のお話いただくご予定です。
余暇には、田中博士は自然との時間を楽しむことに情熱を注いでおり、最近ではキャンプにハマっておられるとのことです。
〇〇先生、一言いただいてもよろしでしょうか?
このように聴衆がゲストスピーカーについて十分に理解し、講演を最大限に楽しめるようにしましょう。
2-4. 演題の紹介
聴衆の興味を引き、講演の内容に対する期待を高めるために重要です。明確かつ簡潔に伝わるものにしましょう。長すぎるタイトルや専門用語が多すぎると、受講者が内容を理解する前に興味を失う可能性があります。専門用語の使用を極力避け、多くの人に伝わる表現にしましょう。
2-5. 休憩時間の案内
長時間のセミナーとなると、途中で休憩を入れることが多いです。休憩を挟む場合は、休憩時間とセミナー再開時刻をしっかりとアナウンスします。
飲食や喫煙を考える参加者もいると思いますので、再度、会場の使い方を説明するとトラブル防止につながるでしょう。
2-6.質疑応答
質問の質は参加者のセミナーへの関心度に比例します。最後に参加者の期待を裏切らないようスムーズな進行ができるよう準備しましょう。
2-7.閉会時の挨拶
セミナー終了後は参加者や講演者への感謝を表して挨拶します。アンケートを書いてもらう場合は提出を促す言葉も入れてください。
席に置いたままでいいのか、専用のボックスに入れるのかなど、提出方法についても案内します。
3.セミナー司会進行・話し方のコツ
セミナーの司会進行のコツは参加者をうまく巻き込んで、雰囲気を盛り上げていく必要があります。
そのためには、単に話すだけではなく話し方にも工夫しましょう。
ここからは、どのような話し方が効果的なのかを解説していきます。
3-1.タイムマネジメントをしっかり行う
必ずタイムスケジュールを作成しましょう。全体の流れを把握し、セクションごとに適切な時間を把握しましょう。時計やタイマーを設置し、進行中常に確認できるようにしておきましょう。
時間に合わせ、誰がどう動くかも含めて把握することも忘れずに意識しましょう。
3-2.台本には正確にセリフを書く
開会の挨拶、ゲストの紹介、参加者へのアナウンスなど、メモではなくセリフに書き起こすようにしましょう。
適切な言葉遣い意識し作成しておくことで、当日の緊張から生まれる失敗を防ぐことができます。
3-3.台本を見ずに話せるまで練習する
流暢な進行のためには、台本を見ずに自然に話せることが理想的です。台本に目を落とさず参加者の目をみて話すことで説得力を生むことができます。
練習では、反復練習とリハーサルをおすすめします。反復練習ではセリフを覚えるだけでなく、自然な言い回しやアイコンタクトをとることを意識しましょう。リハーサルは可能な限り実際のセミナーと同じ環境で練習し、最初から最後まで通して行いましょう。
3-4.常に来場者と向き合う位置で
何かしらのアクシデントがない限り、参加者に背中を向けることは避けましょう。誠意も感じにくくなり、声も通りにくくなるでしょう。
参加者の方に体を向けて話すことを忘れないでください。
3-5.参加者への問いかけで一体感のある雰囲気作りを
セミナー参加者に積極的な態度で聞いてもらうには、問いを投げかけるのが効果的です。問いかけた後に、少し間を置いて参加者とアイコンタクトを取ってみるのもいいでしょう。
参加者の集中が途切れそうな、セミナー中盤に問いを投げかけながら進めてみると有効です。
3-6.正しい姿勢と身だしなみ
セミナーではマイクを使うことがほとんどですが、声が小さいと会場の奥まで聞こえない可能性があります。背筋を伸ばし、顎を引いて会場全体に届く声を出しましょう。
また、司会者はイベントの主役ではありませんが大切な存在です。清潔感や身だしなみにも気を遣いましょう。
4.セミナー会場の選び方
セミナーは会場選びも大切です。必ず下見を行いましょう。集客にも影響しますので、セミナーの目的を踏まえて参加しやすい場所を選ぶことがポイントになります。
4-1.最寄りからの距離
セミナー会場が郊外にあると、参加者も移動が大変になります。
駅から徒歩5〜10分程度で到着できる会場がいいでしょう。
地方で行う場合は、十分な駐車スペースのある会場を検討してください。
4-2.周辺環境
長時間のセミナーで途中に昼食や休憩を挟む場合、コンビニを利用する参加者も多いでしょう。
よって、会場周辺にコンビニなどのお店があると便利です。
セミナー運営側としても、筆記用具を忘れた参加者に購入して用意でき、アクシデントにも対応できます。
4-3.レンタル品や備品、インターネット環境
会場により備品の貸し出しがなかったり、使いたいものがなかったりします。
レンタル料が発生するケースもありますので、事前に確認しておきましょう。
会場により、レンタル品や料金は様々です。前もって確認してください。
また、参加者がパソコンを持ち込むセミナーではインターネット回線も必要です。
無線、有線のどちらで接続できるのか、有料か無料かもチェックします。
併せて、コンセントの数も確認しましょう。
4-4.内装やレイアウト
会場の内装やレイアウトを考えるためには、下見や確認が必要です。
会場がわかりやすいように外に看板を出しているのか、駐車場はあるのかなどもチェックポイントです。
セミナー風景を自社のホームページなどで発信する場合は、天井が高めで照明が明るい部屋がいいでしょう。
その他にも、来場の際の動線、受付や誘導看板の設置位置、客席レイアウトをどうするかもシミュレーションしてみましょう。
招待したお客様が気持ちの良い施設であるかもポイントです。
5.セミナー当日の運営
会場が決まったら、いよいよセミナー当日の運営について考えます。
セミナーを成功させるために、次のことを念頭に置いて運営しましょう。
5-1.流れを打ち合わせ
司会者、運営スタッフ、テクニカルなど、各部門での動きを理解し的確な行動が取れるよう、役割や動きの情報共有を行います。
その他、参加者が来場した際に、スタッフであることが判断できるように名札や腕章などを身につけましょう。
講演者との事前挨拶と軽い打ち合わせも大切です。セミナーの流れを共有しておくことで、進行をスムーズに行うことができます
5-2.会場設営
会場設備の担当者と連携を取りながら、セッティングをしていきます。
セミナーの内容により、机・椅子の設置をしていきます。通常のセミナー・講演会はスクール形式が一般的ですが、参加者同士で作業をしながら行うワークショップ形式などもあります。
2部構成でレイアウトを転換するという形式もありますので、セミナーの趣旨に応じてレイアウトを考えましょう。
5-3.機材のチェック
音響設備やパソコン、プロジェクターの動作確認を行います。電源コードなどの配線関係は、安全面を考えてテープで養生しておきましょう。
パソコンを使用する場合はメールソフトやソフトウェアのアップデート、スクリーンセーバーが起動しないように設定します。
5-4.リハーサル
設営や打ち合わせが終わったら、最後のリハーサルを行います。
講演者と参加者の位置取り、司会者の立ち位置、運営スタッフの配置、タイムテーブルなどを確認します。
5-5.開場
来場時間までにリハーサルなどを済ませたら、開場して参加者の受付を行います。
受付がスムーズに行えないとセミナー開始に影響が出るため、参加者の受付は迅速な対応が求められます。
5-6.参加者の受付と誘導
スムーズな受付のために、会場の外にも誘導スタッフを配置して案内すると効果的です。ビルの入り口や受付に通じる階段、エレベーター付近などにもスタッフがいると動線がわかりやすいです。
受付が済んだ後に会場内で席まで案内するスタッフも配置しましょう。受付スタッフは名簿で参加者をチェックして、資料やノベルティなどの配布物を渡します。
当日の出欠や遅延などの連絡、忘れ物、急患など、イレギュラーなことへも対応できるよう、事前に想定して準備する必要があります。
5-7.アンケートの実施
回収したアンケートは次回セミナーの活かす材料になったり、営業資料になったりします。講演会や研修会の開始前や終了間際に時間を確保して、参加者にアンケート記入してもらいましょう。
5-8.参加者名簿の集計
セミナーの参加者をカウントします。
その際に、事前告知数、申込数、当日の参加者数を記録しておきましょう。
事前予約数と当日参加者数の割合や、アンケート結果を元に考察をします。
5-9.個別相談会の実施
参加者はセミナーの最中にはなかなか質問しにくいものです。
セミナー終了後に相談会や親睦会などを開催すれば営業活動になります。
セミナー中の質疑応答だけではなく、相談会も開くとセミナー参加者の満足度が上がるでしょう。
※セミナータイムテーブル例
時間 |
項目 |
進行 |
12:00~13:00 |
・関係者顔合わせ ・設営準備 |
・スタッフ、司会者、登壇者含めて打ち合わせ ・会場設営 |
13:00~14:00 |
リハーサル |
・実際の配置にてリハーサル |
14:00~14:30 |
開場・受付開始 |
・来場者入場開始 |
14:30~15:30 |
セミナー本編 |
・本編 |
15:30~15:45 |
質疑応答 |
・マイクを来場者の元に
|
15:45~16:00 |
来場者退場
|
・アンケートのスライド掲示 |
16:00~16:30 |
撤収作業 |
・撤収作業 |
6.まとめ
上記で説明したように、セミナー開催には、事前準備、当日運営、終了後フォローと、それぞれに重要な準備があり、成功のためにはどれも不可欠です。
それらの流れを念頭に置き、セミナーを成功させましょう。
しかし、イベントの規模が大きくなるに従い、運営や全体の管理は大変になります。トーガシでは、会場手配から運営代行、告知施策までイベントに関わる業務を総合的にサポート!さらにはオンラインイベント・展示会のご手配までトータル的にサポートできる会社です。ぜひ、ご相談ください。
7.【無料DL】「セミナー司会進行6つのコツと台本の作り方」
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※送信完了後、記入いただいたメールアドレスに資料を送付いたします。
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