店舗設計のポイントとは?依頼先やデザインの選び方、工事の流れを解説
お店の開店やリニューアル、移転などに伴う店舗設計にお悩みの事業者は少なくありません。新たな店舗を軌道に乗せるためには、コンセプトを明確にし設計図に落とし込むことが重要です。
この記事では店舗設計のポイントに関して、業者依頼前に検討しておきたい事柄やデザイン事務所の選び方、工事の流れなどを解説します。あわせて費用の目安についても紹介しているので、店舗設計の参考にしてください。
目次
1.店舗設計とは店舗のデザインを設計図にまとめること
店舗設計とは、内装・外装のデザインやレイアウトを設計図にまとめる作業を意味します。よく比較される言葉に店舗デザインがありますが、売上の向上などマーケティングを意識した上で内装や外装を設計するという意味で使われる場合が一般的です。
なお店舗設計を依頼できる業者には設計事務所や内装工事業者、工務店の3種類あります。設計事務所の場合、設計がメイン業務となり施工は別の業者に依頼するケースがほとんどです。内装工事業者の場合は設計から施工まで一括で対応できる業者が、工務店の場合は施工がメイン業務となるものの設計に対応できる業者が存在します。
どの業者に依頼するかにより、対応してもらえる範囲が異なるため事前に確認しましょう。
2.店舗設計の流れ
一般的な店舗設計の流れを紹介します。
2-1.コンセプトの決定
開店したい日にちの半年から1年ほど前からお店のコンセプトを検討しましょう。具体的には販売する商品やターゲット、価格などを下記のように5W2Hに沿って検討するのがポイントです。
- Why:なぜ店舗を設計したいのか
- What:店舗のコンセプトは何か
- Who:店舗のターゲットとなるのは誰か
- When:店舗に集客したい時間帯は何時ごろか
- Where:店舗を運営したい場所はどこか
- How to:どのように店舗を運営したいのか
- How much:店舗設計にかけられる予算はいくらか
また、店舗のイメージを掴めたら販売商品や客層などに沿ってデザインのコンセプトも決定しましょう。デザインの具体的なイメージが浮かばなくても方向性が決まることで、コンセプトを活かしたデザインを提案してもらえるでしょう。インターネットで理想とする店舗の写真を検索し、保存しておくのも一つの手段です。
2-2.デザイン事務所への相談
コンセプトに共感してくれるデザイン事務所を探しましょう。コンセプトを伝えた上で、想いを形にするデザインを提案してくれる事務所に依頼すれば、店舗の完成まで安心してお任せできます。
特に店舗の設計が初めての場合、親身に相談に乗ってくれるデザイン事務所に依頼するのがおすすめです。
2-3.物件探し
デザイン事務所に相談しお店のコンセプトを活かすデザインが具体化されたら、物件を探し始めます。物件に関する条件だけでなく、周辺環境も視野に入れた上で条件をリスト化し現地調査を行いましょう。
余裕を持ってお店のオープンに間に合わせるためにも、物件探しは開店予定日の半年ほど前には行っておくのがおすすめです。
2-4.設計監理契約の締結
物件を選んだら設計図作成と工事監理を委任する設計監理契約を締結します。この契約の締結をもって、デザイン事務所は基本設計や見積もりなどの業務を行うのが一般的な流れです。しかし依頼先によっては基本設計や見積もりを先に行い、後に設計監理契約を締結するケースもあるため事前に流れを把握しておきましょう。
なお設計監理契約の締結は開店予定日の5ヶ月ほど前までに済ませておくと、その後の流れもスムーズに進行しやすいとされています。
2-5.基本設計の検討
設計監理契約の締結後、基本設計を検討します。その際、図面に店舗のコンセプトを反映させることを意識しましょう。この段階で店舗の壁や床に使用するカラーや内装材の決定も行います。
基本設計の検討は、開店予定日の4ヶ月ほど前には取り掛かる認識で進めていきましょう。
2-6.見積もりの取得
レイアウトやデザインの設計が終了したら、施工業者から工事費用の見積もりを取得します。
デザイン事務所は店舗のデザインを得意としており、施工自体には対応していないケースも少なくありません。そのため、工事請負契約は施工業者と直に取り交わさなくてはならない点に注意が必要です。この場合、デザイン事務所が工事請負契約の監理を行い、依頼主と施工業者も交えた三者で店舗の設計を行うことになります。
なお店舗工事には2〜3ヶ月ほど要するため、開店予定日の3ヶ月ほど前には見積もりを取得しておきましょう。
2-7.着工
施工業者と工事請負契約を締結したら着工となります。この間、デザイン事務所は工事の管理者となり立ち会いを行います。依頼主の代理人となり現場での調整や工事の管理を行うのもデザイン事務所の役割です。
2-8.竣工
竣工とは建物の工事が完了することを意味します。工事が完了したら、依頼主が内装などの不具合がないか、図面通りに工事が完了しているか確認する竣工検査を行いましょう。その際、水道や電気、ガスなどに不具合がないかについても念入りに確認することが重要です。
竣工検査により不具合などがないことが確認できサインが終了したら、建物が依頼主に引き渡しとなります。
2-9.店舗の開業
コンセプトの決定から竣工までの流れを踏み、店舗の開業となります。
工事中はデザイン事務所に工事の監理を一括せず、依頼主も時折現場の様子を見に行くなど状況を把握しておくようにしましょう。そうすることで万が一、イメージと異なる工事が行われていたとしてもその段階で修正に向けて動ける可能性があります。
3.店舗設計時のポイント
店舗設計を行う際、上記で紹介した流れに沿って淡々と進めるのではなくいくつかのポイントに着目して構想を練りましょう。ポイントを踏まえた上で店舗設計を開始することで、イメージ通りのお店に仕上がる可能性が高まります。
3-1.コンセプトの決定に時間をかける
店舗の設計において最も重要なのは、コンセプトを定めることです。コンセプトが明確に定まっていない場合、デザインに統一感がなく提供したい価値が不明瞭な店舗に仕上がってしまうでしょう。またコンセプトが不明確なまま物件調査を行うと、商圏調査の難易度が増すのはもちろん店舗経営につまづいてしまう恐れもあります。
ターゲットや立地、予算、お店で提供したいサービスなどコンセプトの構想に時間をかけるのが店舗設計を成功させるポイントです。
3-2.想いを形にしてくれるデザイン事務所を選ぶ
デザイン事務所を選ぶ際は、コンセプトに共感してくれるか、経営者の想いを形にしたいという気持ちが感じられるかという視点で複数の業者を比較してみましょう。
店舗設計においてデザイン事務所はコンセプトの構想から図面制作、工事監理を依頼するパートナーとなります。依頼主の想いを形にしたいという熱意が感じられるか否かはもちろん、提案力があり店舗の設計をリードしてくれる業者を選ぶと良いでしょう。提案力のあるデザイン事務所に依頼することで、コンセプトの構想などに迷ったタイミングで最適なアドバイスをもらえることが期待できます。
3-3.人の流れを把握する
店舗の設計において、人の流れを把握し効率の良い動線にすることも重要です。スタッフだけでなく、お店に訪れたお客さんも快適に過ごせる動線を確保できるよう図面に落とし込みましょう。
4.店舗設計にかかる費用の目安
店舗設計にかかる費用の項目には、総施工費や面積、技術費、人件費などがあります。なおデザイン事務所に支払う費用の項目はデザイン設計費や設計監理費、施工業者に支払う費用の項目は設備工事費や造作工事費に分類されます。
4-1.総工費から算出する場合
設備工事費や造作工事費などを含んだ総工費から設計費用を算出する場合、総工費の10〜15%が目安となります。
この場合、内装工事費用が明確にならないと費用を算出できません。そのため、店舗設計から施工まで一括で依頼できる業者が多く用いる算出方法となります。
4-2.坪単価から算出する場合
坪単価から店舗設計にかかる費用を算出する場合、1坪3〜10万円程度で計算するのが一般的です。10坪を下回るような小規模店舗の場合、最低料金が適用されるケースも少なくありません。
店舗の規模や設備の状態、業態により異なる可能性もあるため、事前に算出方法を確認しておきましょう。
5.店舗設計を通して売上やイメージの向上を目指そう
店舗の経営を成功させるためには、設計にこだわることが重要です。店舗のコンセプトを定めた上でデザインやレイアウトを設計図にまとめていきましょう。
コンセプトの構想が店舗設計の要となることがわかっていても「具体的なイメージが思い浮かばない」「初めて店舗を作るのでアイデアが欲しい」とお困りの事業者も多いのではないでしょうか。このような場合、店舗が活性化する空間づくりを得意とする株式会社トーガシまでご相談ください。
10年、20年先の店舗をイメージした上で、クライアントの店舗設計にかける想いを形にするお手伝いをさせていただきます。デザインの提案から施工まで一括で対応している業者をお探しの事業者様は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
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