サステナブルなイベントを開催する方法は?環境への配慮が重要!
SDGsに取り組む企業は、開催するイベントにおいても環境への配慮を踏まえた計画が必要な場合もあるでしょう。ただ、イベントでは多くの廃材がでることも珍しくないため、そういった取り組みが難しいと感じる人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事ではサステナブルな社会とは何かという点に触れつつ、サステナブルなイベント開催のポイントやアイディア、事例などについて解説します。
目次
1.世界的な目標!サステナブルな社会とは
「サステナブル(Sustainable)」とは、「ずっと続けていける」という意味です。2015年、国連サミットで「持続可能な開発目標」を意味する「SDGs(Sustainable Development Goals)」が国際目標となって以来、世界各国でさまざまな取り組みが行われています。SDGsは17項目から成り立っており、この背景には世界中で問題になっている貧困、差別、資源の枯渇、テロや人権侵害などの解決を目指すことがありました。
つまり、「サステナブルな社会」とは、「自然豊かな地球で、未来永劫ずっと平和に暮らしていくことができる社会」を指します。そのためには地球環境を守り、資源も使いすぎないことが重要です。日本では、2020年6月、外務省が「持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割」を発表し、地方創生や女性の活躍推進、イノベーションなどを行っています。また、さFまざまな業界においてもサステナブルが注目されており、イベント業界もそのひとつです。
【持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割】
SDGsを通じて、豊かで活力ある未来を創る
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/2001sdgs_gaiyou.pdf
2.サステナブルに反する?イベント開催時の課題
一般的に、イベント開催では会場の設営時に大量の資材を使用するため、その分多くの廃材が出てしまいます。特に、大規模なイベントになるほど環境負荷が上がり、それを避けるのは困難です。しかし、イベントはコストや時間との勝負であり、そのなかでは環境負荷にまで配慮する余裕がないというケースも少なくありません。
また、イベント業界においてはサステナブルなイベント作りがまだ一般的とはいえず、廃棄物削減のためのオプションも少ないといわれています。そのため、イベントにかかわるすべてをすぐにサステナブルにするのは難しいでしょう。
しかし、できる範囲で少しずつでも実施していくことが大切です。同時に、環境負荷を重要視するあまり、イベント自体の魅力が損なわれることは避けなければなりません。そのため、イベントの目的をしっかりと果たすことができ、かつサステナブルにできるものを見つけることが優先解決すべき課題になるといえます。
3.サステナブルなイベントを開催するためのポイントとアイデア
「サステナブルなイベントを開催する」と考えるとハードルが高く感じる場合も多いかもしれません。しかし、実際には、工夫次第ですぐに実現できることもあります。そこで、こちらではサステナブルなイベント開催のポイントやアイディアなどについて解説します。
3-1.適切な場所を選ぶ
イベント開催地は、できれば電車などの公共交通機関を利用し、その後は徒歩で行くことができる範囲を選ぶのが理想です。そういった場所であれば車などで移動する必要もなく、排気ガスといった環境に悪影響が出やすいものを抑えることが期待できます。イベント内容などの都合上、車でなければ行けない場所で開催する場合はライドシェアの手配を検討するのも良いでしょう。ライドシェアであれば利用する車の台数も抑えることができるため、排気ガスに考慮したイベント開催を行うことができます。
また、イベント会場を新規設営するのではなく、既存のものを利用するのも良いアプローチのひとつです。たとえば、使われていない廃校やキャンピングカーを活用してイベントを行ったという事例もあります。こういった会場であれば元々あるものなので、廃材も最低限の量ですませることが可能です。現地にあるものを利用することができれば、輸送時の燃料削減につなげることができます。
3-2.リサイクルできるものを使用する
イベントでパネルを使用する場合は、リサイクルできるものを用意するのも良いでしょう。素材によってはリサイクルしづらいものもあるため、必要に応じて段ボール素材で作成するのもひとつの方法になります。また、ハニカムボードを使用した展示スタンドはリサイクル可能で、好きな色に印刷しやすいことからおすすめです。
可能であれば、アメニティについてもリサイクル可能なものを選びましょう。たとえば、パイロットコーポレーションの油性ペンは、海岸で回収されたプラスチック素材で製造されており、環境に優しい文具です。毎年類似したイベントを開催している企業では年号や回数などを入れないデザインの施行物を作成し、10年以上もの間、同じものを繰り返し使用しているといった事例もあります。このような方法であれば毎回廃棄する必要もなく、手直しなどをするだけで再利用が可能です。
3-3.印刷物を減らす
イベントで配布する資料についてはQRコード付きのものを作成し、ダウンロード方式にすることで印刷物を削減することができます。また、イベント向けの事前登録アプリを用意し、通知や更新なども含めて管理できれば紙も不要です。そのアプリにアンケート投票機能があれば、イベント参加者に感想を聞くなど、より効果的に使用できます。
印刷物のほうが良いといった場合には、環境に配慮したインクや紙を使用するのがおすすめです。たとえば、石油系溶剤を完全排除した藻類素材や再生植物油を使用したインク、バナナの繊維が原料となったバナナペーパー、廃棄予定だった竹やサトウキビの絞りかすを使用した非木材紙などは自然由来のものなので、環境に悪影響を与えることもありません。
3-4.レンタル・サブスクリプションサービスを利用する
短期間のイベントのために什器を購入し、終了後すぐに廃棄するというのは資源の有効活用としては好ましい状態とはいえません。什器が必要な場合は一定期間貸出可能なレンタルサービスの利用を検討するのもおすすめです。サブスクリプションサービスのように月額制などがあればイベント内容によっては安くつく場合もあるはずです。
こういったサービスは購入するより安く利用可能で、組立オプションやサービスがついている商品もあります。会場に合わせて組み換え可能で、持ち運びもスーツケースで簡単にできるタイプもあり、そういったものは活用しやすいです。ただ、イベントで使用するものすべてがサブスクリプションできるわけではありません。そのため、レンタル可能なものはあらかじめ調べておく必要があるでしょう。
4.サステナブルなイベントの実施例
サステナブルなイベントは、国内でも数多く開催されています。こちらではその一例を紹介します。
4-1.サステナブルファッションEXPO
サステナブルファッションEXPOは、2024年で第4回を迎えるエコ、エシカル、オーガニック、フェアトレードなど、サステナビリティを考慮したファッション製品・素材が世界中から出展する日本最大の専門展です。
過去の出展製品例には、繊維の資源循環、リサイクルポリエステル素材、廃棄物を水素&再生可能エネルギーに変えるプロジェクト、海洋汚染の改善に寄与するナイロン素材などがあります。セレクトショップ、百貨店、メーカー、商社など幅広い企業が参加しており、セレクトショップや百貨店、ファッションビル、小売り(通販・GMS・量販店等)、メーカー、異業種の企業が出展しています。
サステナブルファッションに興味を持つ人にとって、最先端かつ重要な場であり、持続可能なファッションに貢献する機会となっています。
4-2.サステナブル・ブランド国際会議
全て国内にて開催されている2024年で第8回目となる持続可能なビジネスの発展とイノベーションを推進することを目的とした国際的なイベントです。企業、NGO、政府機関、学術界など、様々なセクターからの参加者が集まり、持続可能性をビジネスに統合する方法について議論し、知識を共有します。
会議の主なテーマは、持続可能なブランド戦略、イノベーション、マーケティング、製品開発、サプライチェーン管理など、持続可能性が企業のあらゆる側面に与える影響に焦点を当てています。参加者は、最新のトレンド、成功事例、持続可能なビジネスモデルの開発について学び、ネットワーキングの機会を持つことができます。
4-3.SDGs・ESG支援EXPO
持続可能な開発目標(SDGs)と環境・社会・ガバナンス(ESG)に焦点を当てた展示会です。2023年に第一回目が開催されました。
脱炭素経営、グリーンイノベーション(GX)、SDGs支援、ESG投資支援、省エネ設備などに関する展示が行われ、続可能性に向けた取り組みや環境・社会への貢献を促進するためのプラットフォームとして、多くの企業や団体が参加しています。ビジネス関係者の方々にとって、最新のトレンドや技術、ビジネスチャンスを知る絶好の機会となっています。
4-4.SMART ENERGY WEEK
世界最大級の新エネルギー総合展です。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、ますますの普及が期待される再生可能エネルギーに焦点を当てています。この展示会では、水素・燃料電池、太陽光発電、二次電池、スマートグリッド、洋上風力、バイオマス発電、ゼロエミッション火力など、あらゆる技術が出展され、世界各国から専門家が来場する重要なプラットフォームとなっています.
エネルギー業界のビジネスを加速させるために、最新の技術と情報、人々が集まる場所として注目されており、年2回東京と大阪で開催されています。
4-5.サステナブルマテリアル展
サステナブルマテリアル展は、環境に配慮した素材や製品に焦点を当てた展示会です。新しい素材や技術を探求する場として、多くの企業や専門家が集まります。
リサイクル材料、生分解性材料、軽量化材料、長寿命化材料、バイオ化学品、LCA観点のCO2排出削減材料、生分解性樹脂、セルロース、再生可能エネルギー由来の素材など、ベンチャー企業や材料メーカーの研究部門が多く出展し、直接ユーザーの声を聴くことで材料開発の促進や研究者の育成、提案力の強化などに活用されています。
5.小さなことからコツコツと!サステナブルなイベントを目指す
今回はサステナブルなイベントにするためのポイントなどを事例を含めて紹介しました。最初から100%実行するのは難しいかもしれませんが、できることから取り組むことが重要です。展示会やイベントのトータルサポートを行っている「トーガシ」では、エコな素材やシステムなどを活かしたイベント・展示会などの企画・制作などが可能です。自社に合った工夫を見つけるためにも、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。
6.資料DL「環境負荷軽減と出展効果を両立させるブースとは?」
環境負荷を考慮した事業継続への関心が高まる中、イベントや展示会も業界もサステナブルやカーボンニュートラルといった「環境負荷を減らす素材選び」が重要になってきています。しかし、イベント展示会の重要なテーマである「訴求力」が減るのは困ります。この資料では「環境負荷軽減と出展効果を両立させるブースづくり」を参考価格と共に紹介いたします。ぜひご覧くださいませ。※送信完了後、記入いただいたメールアドレスに資料を送付いたします。
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