コロナ禍でのイベント開催:感染症の影響と備えるべきポイントとは?
2024年1月以降、政府は新型コロナウイルスに関する抗非支援を全面撤廃する方針を発表しました。新型コロナウイルスの脅威は経済に大きな影響を与え、特に人が集まる場であるイベントは中止や延期が多発しました。2024年現在、イベントの活気は戻りつつありますが、「感染症が起きたらどうする?」という備えはしておきましょう。
※この記事は2021年に発信されたものを編集しています。
目次
1.コロナ禍のイベント開催をどう判断すべきか
2020年5月25日に緊急事態宣言が解除されたため、参加人数によってはリアルイベントもできるようになりました。解除時は参加人数の上限は1000人でしたが、2020年7月10日には参加人数の上限が5000人になりました。
※2021年6月23日現在、3度目の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置、解除
※2021年8月25日現在、4度目の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置、9月12日まで実施中
※2021年9月13日現在、4度目の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置、9月30日まで延長
※2021年10月1日現在、緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の解除。対策の段階的な緩和
※2022年1月7日 まん延防止等重点措置に関する公示
※2022年3月21日 まん延防止等重点措置の終了に関する公示 各詳細は下記リンクを参照
※2023年5月8日 基本的対処方針に基づくイベントの開催制限、施設の使用制限、業種別ガイドライン等の取組の廃止
ただし、まだまだ油断はできない状況です。状況は日々変化していますので、開催するときは上限人数に変更がないかどうかを確認するようにしましょう。
リアルイベントは不特定多数の人が集まるため、クラスターが発生する可能性が高くなります。コロナウイルス対策を徹底的に行いましょう。そして、来場者に安心してもらうためにも、どのような対策を実施しているのか、ホームページや会場内の貼り紙でアナウンスします。さらに、コロナウイルスによる感染を防ぐためには主催者だけでなくスタッフ、そして来場者の協力が必要になります。
1-1.コロナ禍のイベント開催を判断するポイント
政府や地方自治体からの対策や措置に従い開催しましょう。規制されていたリアルイベントですが、2020年5月25日に緊急事態宣言解除により、1000人の参加人数上限つきで解禁、同年7月10日には上限が5000人まで引き上げられ、2023年5月8日にはイベントに関する制限は解除されています。
※参考
内閣感染症危機管理統括庁
「【事務連絡】基本的対処方針に基づくイベントの開催制限、施設の使用制限、業種別ガイドライン等の取組の廃止に当たっての留意事項について」https://www.cas.go.jp/jp/caicm/package/assets/pdf/jimurenraku_seigen_20230427.pdf
1-2.「開催の必要性」とリスク
制限が解除されたとはいえ、開催にはリスクが伴います。リアルイベントを何の感染症対策もないまま開催し、万が一クラスターを発生させた場合、マスコミにより企業名と共に負のイメージを発信してしまう可能性もあります。第8波、第9波を引き起こさない社会的責任がイベント開催者にはあると考えておくべきでしょう。なぜ開催するのか、どのように感染対策をした上でイベントを実施するのかを今一度考えてリスクマネジメントを行いましょう。
2.やはり、リアルイベントのメリットは大きい
どのように徹底したコロナウイルス対策を行ったとしても、リスクをゼロにすることはできません。それでも展示会やリアルイベントの開催には大きなメリットがあります。
まず、リアルで触れた製品やサービスといった情報は、動画や画像、SNSといったオンラインで得た情報よりも記憶に残りやすいという特徴があります。なぜなら、リアルのほうが製品の形や香り、色合いなどをより深く知ることができるからです。また音や光など、目の前で体験しなければ伝わらないものも多く存在します。そのため、製品やサービスをよりアピールすることが可能になります。
次に、リアルイベントには、そのテーマや企業に興味がある人が来場します。パソコンから気軽に参加できるオンラインイベントと違い、会場に足を運ぶには手間や時間がかかるため、来場している時点で関心が大きいといえるのです。そのため、自動的に見込み度の高い客の絞り込みが行え、効果的にアプローチすることができます。また、画面越しではなく、直接見込み客と話すことができるのも強みです。
このほか、リアルのほうがオンラインよりも高い信頼性を持って受け入れてもらいやすいというメリットもあります。
コロナが5類の分類となり、人流が回復した2023年、オンラインイベントの需要は大きく減りました。ハイブリッド開催という形でオンラインイベントのメリットは生かされているものの、実際に人と会い商品を見るということは、それだけ大きな体験であることを物語っています。
3.リアルイベント主催者が実施するべき感染対策
コロナ禍では多くの時間や投資を費やしたイベントの開催是非や、長らく続いているお祭りなどの中止について、多くの企業、地方自治体などがイベントの開催に頭を悩ませました。
展示会やリアルイベントの来場者に安心してもらうために、主催者側がやっておきたい感染対策を紹介していきましょう。
3-1.衛生管理
イベント会場に限らずですが、まずは衛生管理を徹底することが肝心です。それぞれポイントごとに見ていきましょう。
①清掃・消毒
まず、会場内はもちろんのこと、トイレやテーブルなどの共用部分などの清掃や消毒も徹底して行います。可能な限り専門のスタッフを用意し、巡回するなど定期的に行いましょう。また、出入口や受付、会場内の目につく場所などに手指消毒設備を置いておきます。
②飛沫感染の防止
受付などスタッフと来場者が直接話す必要がある場所はビニールカーテンやアクリルパネルなどで仕切るようにし、休憩コーナーなどは間隔をあけ、横並びに座るように案内サインを設置します。
③換気
冬場であっても窓やドアを閉め切っていてはいけません。頻繁に空気の入れ替えを行いましょう。イベント会場だけでなく、スタッフが利用する休憩スペースや更衣室、楽屋、控室も同様に空気の入れ替えが必要です
④ゴミ捨て
ゴミ箱などの廃棄物置き場は、蓋がついているものを設置します。作業するスタッフは必ず手袋を使用し、一定時間おきにゴミを捨てます。
3-2.入場管理
入場時は人が密集しやすいため、しっかりとした管理を行います。密になるのを防ぐためには、来場人数に制限をかける方法が挙げられます。また、来場者に検温を実施し、発熱等の症状がある場合には入場をお断りすることも必要です。さらに、受付に行列ができる場合を想定しての対策も行います。とはいえ、スタッフが密にならないように呼びかけのアナウンスを行うと、飛沫感染の可能性が出てきます。
来場者に自然とソーシャルディスタンスを呼び掛けるためには、床にシールなどを貼って並ぶ位置を示すと良いでしょう。その際、2mの間隔を空けて貼るようにします。ちなみに、こうした入場制限や検温には時間がかかります。コロナ以前のイベント開催時と比べて、受付に手間がかかることを考慮しておきます。
また、最近では便利な機器も多く出てきています。例えば「TEMPOK/テンポック」を使えば、自動で検温をした後に、その温度が記載されたシールを発行してくれ、来場者はそれを目立つところに貼ることにより、問題がないことをアピールできます。もちろん運営側も、貼っていない入場者に声をかけたりなどでき、安全性をさらに高めることにつながります。
3-3.スタッフの健康管理
スタッフの健康管理も徹底的に行うようにしましょう。まず、体調不良や熱がある場合は無理して勤務しないようにあらかじめアナウンスしておきます。次に、スタッフの増員も必要になります。1つ目の理由は急にスタッフが休んだときの対策のためです。2つ目の理由はコロナ以前と比べると、手指消毒設備を設置したり、来場者の検温を行ったり、定期的に換気を行ったりと、スタッフの仕事が増えているからです。一人当たりの作業量が増えると、疲れが出やすくなり、健康管理上もよくありません。
このほか、スタッフには必ずマスクを着用すること、手洗いと消毒を行うことを徹底的に指導します。マスクに関しては勤務中だけでなく、行き帰りの電車の中でも着用するようにアナウンスします。正しいマスクの着け方や手洗いの仕方の講習を行う必要もあります。また、イベント会場内の設備消毒を行うときは手袋の着用もしなくてはなりません。
3-4.密度のコントロール
来場者同士の密度が高くならないような空間をデザインしましょう。まず、多くの人が滞留する場所を作らないようにします。たとえば、受付が1箇所だとどうしても人が密集してしまいます。受付は複数箇所置くようにして、来場者を分散させましょう。次に、席は離して設置します。たとえば、1つおきに「この席には座らないでください」という表示を貼っておくのもよいでしょう。また、イベントの内容によっては演者が来場者たちの前で商品説明やパフォーマンスを行うこともあります。その際、演者は来場者から距離をとるようにします。また、演者が複数いる場合は演者同士の間隔を空けるようにします。
4.リアルイベントの感染対策として用意しておきたいもの
会場の受付には、マスクをはじめ、消毒液、体温計を用意しておきます。来場者がマスクをしていない場合、その場でマスクを手渡し、着けてもらいましょう。また、手指の消毒もその場で促します。体温計の場合、スタッフが来場者一人ひとりの熱を測るのは大変です。発熱者を瞬時に検知できる赤外線サーモカメラがあれば、スタッフの負担も減り、受付に人が溜まることも防げます。
また、受付は来場者の名刺と名簿を照らし合わせる手続きがあります。しかし、時間がかかるため、受付管理システムを用意しておくとよいでしょう。入場時の時間を短くすることができ、スタッフと来場者の接触を減らすことも可能になります。さらに、商談テーブルにはスタッフと来場者の間に仕切りがあると安心です。アクリルパネルをはじめ、ビニールカーテンやパーテーションの用意をおすすめします。
5.リアルイベントのプロに依頼しよう!
自社だけで感染症対策も行いながら、イベントの企画や進行を行うのは大変なことです。トーガシでは、安心安全なイベントの企画立案から運営代行、告知施策までイベントに関わる業務を総合的にサポートいたします。初めてのイベント主催、展示会出展、セミナー開催での不安や課題を解消いたしますので、まずはお気軽にご相談ください
6.「感染症対策ガイドラインブック」無料ダウンロード
㈱トーガシはあらゆる場面を想定し、感染症対策ガイドラインブックを作成いたしました。
展示会やイベントなどの開催・出展を検討中だが、感染症対策はどうしたらよいのかお悩みの主催の方、会場や公共施設、学校や文化施設、ホテルやアミューズメントを運営・管理されている方などを対象に、多くの業種別ガイドラインを集約し一冊にまとめました。ポストコロナ社会のニューノーマルなイベント開催、会場運営、普段の業務の安全性確保にお役立てください。
また、すでに感染症対策を行われている方も「空港はどうやってるんだろう?」「ホテルのスタンダードは?」「冠婚葬祭は?」など業種別の参考にもご活用ください。
※送信完了後、記入いただいたメールアドレスに資料を送付いたします。
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