シンポジウムの意味とは?フォーラムやカンファレンスとの違いを解説

シンポジウムとは公開討論会や研究討論会を意味する言葉です。似たような言葉にフォーラムやカンファレンス、パネルディスカッションなどがあるため、何が異なるのか混同する方は少なくありません。

この記事では、シンポジウムの意味について語源を交えながら詳しく解説するとともに、比較されることが多い言葉との違いについて紹介します。あわせてシンポジウムを成功させるポイントについてもお伝えするので、企業のイベント担当者は必見です。

1.シンポジウムの意味とは?

シンポジウム(symposium)の語源はギリシャ語で酒宴を意味する「Symposion(シュンポシオン)」だと言われています。日本語では公開討論会研究討論会などと呼ばれるケースもあり、特定の課題に対してさまざまな意見を知ることを目的に開催される点が特徴的です。

一つのテーマに関して興味や関心のある論者が集まり議論を重ねたり、知識を共有したりするイベントとしてシンポジウムが開催されます。多角的な視点で一つのテーマを深掘りできる点がシンポジウムの開催意義だといえるでしょう。

特定のテーマに知見のある複数の論者に対して、聴衆が質疑応答できるのもシンポジウムの特徴です。

2.シンポジウムとフォーラムやカンファレンスなどとの違い

シンポジウムとよく比較される言葉にフォーラムやカンファレンス、パネルディスカッションなどがあります。それぞれのイベントの目的を理解して、シンポジウムとの違いを明確にしましょう。

2-1.フォーラム(Forum)との違い

フォーラムとはシンポジウムと同様に公開討論会と訳されるケースが多いため、意味を混同する方が多い言葉です。語源はラテン語「フォルム(Forum)」で公共広場を指すものの、現在では討論の場を意味する言葉として使用されています。

多角的な知見を得ることを目的に開催されるシンポジウムに対して、フォーラムは特定のテーマに対して一つの見解を見出すことを目的に開催されるという側面があります。つまりフォーラムとは、結論を求める場を意味して使われる言葉です。

2-2.カンファレンス(Conference)との違い

会議や協議会を示す言葉としてカンファレンスが使用されます。比較的規模が大きいビジネス会議の場において「〇〇カンファレンス」と称されるケースが多い点が特徴です。

シンポジウムとカンファレンスの意味に明確な違いはないものの、第三者である聴衆がいない点が両者の異なる点になります。また同じ組織に属している人が集まる場として、カンファレンスが開催される点も特徴的です。組織内などで行われる意見交換の場として捉えるとわかりやすいでしょう。

2-3.パネルディスカッションとの違い

パネルディスカッションとは集団討論を意味する言葉で、1990年頃から使用されるようになりました。討論は異なる見解や立場を持つ参加者「パネラー」と、進行役「コーディネーター」で構成されます。

聴衆からの質疑応答があるシンポジウムに対して、パネルディスカッションはパネラーがそれぞれの意見を発表した後、コーディネーターを通じて議論を行います。議論はあくまでもコーディネーターを介した上で行われる点がパネルディスカッションの大きな特徴です。

2-4.セミナーや講演会との違い

セミナーとは特定のテーマに関して専門家が講習を行う場を意味します。講演会という言葉もセミナーと似たような意味で使用されます。しかし、専門家が聴衆に向けて研究結果を伝えることが目的で、質疑応答など参加者と登壇者の交流は必須ではありません。セミナーは質疑応答を取り入れるケースが一般的であるため、参加者が能動的に学ぶ場としての意味合いが強くなります。

シンポジウムとの違いを一言で示すと、セミナーや講演会は意見交換を目的としない点にあります。またセミナーや講演会は、一人の専門家が聴衆に向けて話す点も大きな違いです。

2-5.学会との違い

学会とは同じ分野への知見を深める学者が集まり、研究の妥当性を検証する場という意味で使用される言葉です。また、研究分野の発展を目的に研究結果を評価し合うのも学会の特徴になります。したがって、学会は開催形式とは異なるカテゴリです。時にはシンポジウムであり、カンファレンスであり、ディスカッションでもあります。

3.シンポジウムの企画から運営までの流れ

シンポジウムの準備は適切な流れに沿って行うことで、抜け漏れを防げます。企画から運営までの流れをポイントとともに解説するので、参考にしてください。

3-1.開催概要の決定

まずはシンポジウムで討論するテーマを設定し、開催目的や日時、規模、予算などの概要を決定しましょう。最初に開催概要を決定しておくことで、後の会場選定や登壇依頼を行いやすくなります。

企業がマーケティングの一環として顧客を対象にシンポジウムを開催する際は、興味や関心を集められるテーマを設定できているか熟考しましょう。テーマの設定次第では、潜在顧客を獲得できるほか、メディアで取り上げてもらえる可能性があるなどブランディング効果も期待できます。

3-2.会場の選定

シンポジウムの開催規模や予算に合った会場を選定しましょう。その際、運営側の都合だけでなく参加者がアクセスしやすい会場を選定するのもポイントです。空港やターミナル駅から足を運びやすい会場を押さえられれば、集客しやすくなるでしょう。

例えば東京都でシンポジウムを開催する場合、下記の会場を選べばアクセスに優れているだけでなく、知名度も高いため参加のハードルを下げられます。

  • 東京国際フォーラム
  • 新宿NSビル
  • 日本橋プラザ

万が一、アクセスが難しい会場を選定する場合は参加者の宿泊施設を手配するなどの配慮を忘れないようにしましょう。またシンポジウムの後に懇親会を開催したい場合、立食できるスペースがあるか確認するのも重要です。

3-3.プログラムの検討

開催概要で決定したテーマに沿って討論するために必要な構成を検討します。下記の流れでプログラムを進行するケースが一般的です。

  • 開会の挨拶
  • 基調講演
  • 発表
  • 質疑応答
  • 閉会の挨拶

プログラムが決定したら、プレゼンなど討論を盛り上げるために必要な資料についても検討しましょう。

3-4.登壇依頼

シンポジウムの開催テーマにふさわしい登壇者を選定し、オファーを送りましょう。

著名人など知名度の高い人物に登壇を依頼する場合、数ヶ月先までスケジュールが埋まっている可能性も考えられます。このようなことも考慮し早めに登壇を依頼するのはもちろん、実際に登壇してほしい人数よりも多めに登壇依頼者をピックアップしておくとよいでしょう。企業がシンポジウムを開催する場合、顧客の興味や関心を引ける登壇者を用意できれば集客しやすくなります。

3-5.シンポジウム開催の告知

Webサイトの制作やSNS広告、DMの送付などターゲットに沿った告知方法を社内で検討します。告知と同時に申し込みフォームも用意して、参加者情報をシステム化できる環境を整えておきましょう。

なお告知は一度に留めず、複数回に分けて行うことで参加者にシンポジウムの開催をリマインドできます。最初は参加をためらっていた顧客の集客にもつながるため、定期的なリマインドは必須です。

3-6.機材や備品、進行表などの準備

マイクや音響システム、プロジェクター、パソコンなどシンポジウム当日に使用する機材や備品を準備しましょう。会場によっては、機材や備品の貸し出しを行っているケースもあります。社内で必要な機材を用意できない場合、会場にレンタルの有無を確認してみましょう。会場から機材や備品をレンタルする場合、問題なく操作できるか通信環境は整っているか念入りに確認するのがポイントです。

開催企業には、論者がスムーズに討論を重ねられる環境の提供が求められます。当日の進行をスムーズに行うためには、進行表の用意も必須です。進行表を用意することで、全体の流れを把握できるため常に一歩先を想定した進行ができるようになります。

3-7.リハーサルの実施

当日の流れを確認するために、リハーサルを行いましょう。進行の流れはもちろん登壇者の立ち位置やマイクの音量、機材の操作、受付業務、参加者の誘導など一から流れを確認します。

不備や準備不足だと感じる点を洗い出し、当日のスムーズな進行につなげましょう。

3-8.当日の運営

リハーサルでの反省点を踏まえた上で、当日を迎えましょう。リハーサルでの評価ポイントと反省点が明確になっていれば、心配なく当日を迎えられます。

なおクレームや自然災害の発生など、不測の事態に備えて運営スタッフを多めに確保しておくことをおすすめします。

3-9.お礼状の送付と効果測定

シンポジウムが終了したら、そのままにせず参加者にお礼状を送付しましょう。その際、アンケートへの回答を依頼し当日の評価ポイントや反省点を探るのも重要です。効果測定することでより満足度の高いシンポジウムを開催しやすくなります。

参加者からのフィードバックを参考にするだけでなく、運営チーム内でも反省会を開催しましょう。当日の動きや進行について評価できる点と改善すべき点を洗い出すことで、イベントの運営スキルを上昇させることが可能です。

4.シンポジウムを成功させるためのポイント

シンポジウムを成功させるために用意しておきたい資料などのポイントを紹介します。

4-1.運営マニュアルを用意する

シンポジウムの運営には会場設営、受付、案内・誘導などの場面でスタッフが必要になります。開催規模が大きくなればなるほど必要な運営スタッフの人数も多くなるため、各チームの動きが可視化されにくくなるでしょう。全体の流れを把握するためにも、運営マニュアルの作成がおすすめです。

シンポジウムの流れを記載した進行表に運営スタッフの役割を記載しましょう。チームに求められる役割が明確になるため、運営スタッフの不備で進行が止まるのを防げます。

4-2.イベント運営のプロにアドバイスをもらう

シンポジウムなどイベントの満足度が企業のイメージを大きく左右する催しでは、運営のプロに企画や準備などのポイントに関してアドバイスをもらうことが推奨されます。

自社で企画から運営まで全ての業務を行うのではなく、イベント運営会社に外注することでシンポジウムを成功させやすくなるでしょう。プロはシンポジウム参加者の満足度を向上させる仕掛けを熟知しています。さらに当日の運営も一任できるため、進行が中断するなどのトラブルも避けられるでしょう。

5.株式会社トーガシのイベント運営事例

イベント総合プロデュース会社の株式会社トーガシは数々のイベントサポート経験があります。アジア最大級のWeb3カンファレンス「Web X」では事務局対応や基礎施工、装飾施工、グラフィックデザイン、空間デザインを弊社が担当しております。企画運営から施工まで幅広い対応が可能なため、イベントの規模を問わず、全力でご提案させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。

    6.プロに相談してシンポジウムを成功させよう

    シンポジウムの成功には最適なテーマや登壇者の決定、会場選定など念入りな準備が欠かせません。特にどのようなテーマを設定するかが集客できるか否かの分かれ道となるため、顧客の興味関心を理解した上で決定する必要があります。イベント開催や集客のプロに相談すれば、顧客に刺さる企画が明確になります。経験豊富なイベントプロデュース会社の場合、持ちかけた相談に対してプラスアルファの提案をしてくれるでしょう。

    株式会社トーガシまでお問い合わせいただければ、貴社がシンポジウムを開催したいと思われた背景や目的をヒアリングした上で、最適な企画や集客の提案をさせていただきます。一緒に意義のあるシンポジウムを作り上げていきましょう。

    7.【無料DL】主催時の運営マニュアル3つの注意点と重要ポイント

    イベントを主催する際、企画から手配、準備、当日の運営まで様々な業務が発生し、その分多くのスタッフが関わります。当日のスムーズな運営を行うためには、運営マニュアルが必要不可欠です。この資料では運営マニュアルを作成するにあたってのポイントや、よくあるトラブルに対しての「3つの注意点」などをまとめました。実際に使用したサンプルも巻末に掲載しておりますので​、ぜひダウンロードしてご覧ください。
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