ピッチイベントとは?対象者や参加・開催企業別の目的、メリットを解説

ピッチイベントとは、スタートアップ企業が投資家向けに短時間でプレゼンテーションを行う場です。アイデアや技術のあるスタートアップ企業と投資家がマッチングすることで、事業の加速が見込まれます。

この記事では、参加企業・開催企業別にピッチイベントの目的やメリットを解説します。あわせて訴求力を高めるプレゼンテーションのポイントや集客のコツについてもお伝えするので、資金調達したいスタートアップ企業やパートナー企業を発掘したい企業は必見です。

1.ピッチイベントとは?

ピッチイベントの意味やよく比較されるプレゼンテーションとの違いについて、解説します。

1-1.ピッチイベントの意味

スタートアップ企業やベンチャー企業が投資家向けに自社のサービスやアイデアについてプレゼンテーションを行う場を、ピッチイベントやピッチコンテストと言います。投資会社が起業家にプレゼンテーションを行う機会を与えるケースもあります。

1-2.ピッチイベントの対象者

一般的に、ピッチイベントの参加対象者はスタートアップ企業や起業家個人、投資会社、ベンチャー支援企業です。

上記に該当する対象者がピッチイベントに参加すれば、資金調達に成功したりパートナー企業とマッチングしたりする可能性があるでしょう。

1-3.プレゼンテーションとの違い

ピッチイベントとプレゼンテーションを比較すると、話す相手や時間、内容が異なります。

プレゼンテーションとは、特定の顧客に対して行われる点が特徴的です。プレゼンテーションの場合、自社のサービスや製品などに興味を持っている見込み顧客に対して行う場合がほとんどでしょう。

一方でピッチイベントとは、不特定多数の相手に自社のサービスなどを訴求する場です。見込み顧客に対して話すプレゼンテーションと異なり、ピッチイベントでは業界に詳しくない参加者に興味を持ってもらえるようなトークを展開する必要があります

また、話し手が話す内容や時間に関しても大きな違いがあります。まとまった時間が必要なプレゼンテーションに対して、ピッチイベントで登壇者に与えられる時間は長くても20分ほどです。このような特徴からピッチイベントでは、端的に自社の魅力を訴求する必要があります。

2.ピッチイベントに参加する目的とメリット

スタートアップ企業がピッチイベントに参加すると、社名や事業のPRにつながります。具体的に、どのような目的を持ちスタートアップ企業がピッチイベントに参加するのか確認してみましょう。

2-1.認知度の向上

ピッチイベントで自社のサービスやアイデアを発表すれば、投資家などから社名を覚えてもらいやすくなるでしょう。またピッチイベントはメディアで取り上げられるケースもあるため、参加することがサービスや技術などのPRになります

ピッチイベントに登壇すれば、広告費をかけずとも認知度を向上させられるでしょう。

2-2.資金調達

ピッチイベントに登壇し効果的なプレゼンテーションを行えば、投資家とのつながりを構築できる可能性があります。そのためスタートアップ企業の中には、資金調達を目的にピッチイベントに参加するケースも少なくありません。

投資家の側面から見てもピッチイベントに参加することで、一度に多くのスタートアップ企業を知り将来性のある投資先を発掘することにつながります

2-3.パートナー企業の発掘

ピッチイベントに参加するスタートアップの中には、自社の技術不足に頭を抱える企業も少なくありません。そのような場合、不足している技術を補うためにパートナー企業とのマッチングを目的としてピッチイベントに参加するケースがあります。

大企業がスタートアップ企業との連携に興味を示すケースも多いため、ピッチイベントがパートナー企業を発掘する場となる可能性があるでしょう。

2-4.事業やサービス、技術の評価獲得

登壇後に質疑応答などの時間が設けられている場合、自社に対する評価を確認する場としてピッチイベントを活用できます。参加者からコメントや質問などをもらえるため、フィードバックを通して評価ポイントや課題が見つかるでしょう。

また、ピッチイベントで登壇を繰り返せばプレゼンテーションスキルも向上します。回数を重ねることで事業やサービス、技術への忖度ない評価が分かるようになるでしょう。

3.ピッチイベントを主催する目的とメリット

ピッチイベントを主催するのはイベント会社やメディア、官公庁などです。ピッチイベントで事業マッチングなどを加速させることで、主催者にとってどのようなメリットがあるのか解説します。

3-1.新たなビジネス機会の創出

大企業とスタートアップが連携すれば、革新的なビジネスが誕生する可能性があります。主催したイベントで新規ビジネスが誕生すること自体が、イベント会社のPRになるでしょう。

3-2.経済や市場の活性化

官公庁が日本経済や市場の活性化、雇用創出などを目的にピッチイベントを開催する場合があります。日本で新規ビジネスが誕生すれば世界を牽引する企業が出てくる可能性があるため、市場が活性化したり税収が増加したりするでしょう。

このような理由から直接の利益につながらないケースでも、官公庁がピッチイベントを開催する場合があります。

4.【参加企業向け】ピッチイベントでプレゼンテーションを成功させるポイント

ピッチイベントで登壇する企業向けに、プレゼンテーションを成功させるためのポイントを解説するので参考にしてください。

4-1.GTCメモを作成する

短時間で専門知識のない参加者にも伝わりやすいプレゼンテーションを行うために、GTCメモを作成しましょう。GTCとは下記の3つの単語の頭文字をとった言葉です。

  • G:「Goal」自分の目的
  • T:「Target」相手の目的
  • C:「Connect」両者の合致点

ピッチイベントに登壇し達成したい自社の目的を明確にした上で、ターゲットである参加者のニーズや自社と関わりを持つことでどのようなメリットがあるのかについて検討します。自社と相手のニーズを明確にしたらどのようにマッチングするのか、マッチングすることでどんなメリットがあるのか深掘りしましょう。両者にとって良い提案となれば、ピッチイベントを通じて資金調達やパートナー企業の発掘につながる可能性があります。

4-2.GTCメモを基に構成を展開する

GTCメモを作成したらプレゼンテーションの構成を練ります。その際、フック・ポイント・行動喚起という流れを意識して構成を展開しましょう。

プレゼンテーション内容に関心を集めるために、導入と呼ばれる「フック」では参加者に疑問を投げかけたり共感を得たりするためのトークを用意します。
提案に該当する「ポイント」では、結論から先に話すなど参加者の理解を得やすくするための工夫を行うのがポイントです。
クロージングとも呼ばれる「行動喚起」では「貴社の課題を解決に導きます」など、次につなげるための一言を用意します。

GTCメモを基に構成を展開することで、参加者に伝わりやすいプレゼンテーションに仕上がります。

4-3.グラフや図を用いる

ピッチイベントでインパクトを残すためにも、口頭による説明だけでなくグラフや図を用意しましょう。視覚に訴えることで参加者の興味や関心を集めやすくなります。

4-4.話にストーリー性を持たせる

短時間でわかりやすく自社のサービスなどをアピールするために、ストーリー立てて話を展開しましょう。参加企業が抱えていると予測される悩みに対して、自社がどのように貢献できるのか話を組み立てるのがポイントです。

競合企業が多い場合、他社や他サービスとの違いについて言及することで特定の分野に興味や関心のない参加者の理解を深められます。

4-5.質問に適切に回答する

ピッチイベントで質疑応答がある場合、一つ一つの質問にしっかり回答しましょう。誠実に回答する姿勢を見せることで、好印象を与えられます。登壇者は質疑応答に回答する姿勢も投資家から確認されていることを忘れずに、当日に挑みましょう。

想定される質問や意見に対する回答をあらかじめ用意しておくのも、ピッチイベントでの登壇を成功させるポイントです。

5.【開催企業向け】ピッチイベント主催時のポイント

ピッチイベントを開催する企業は登壇者や傍聴者を多く集めるために、いくつかのポイントに注意する必要があります。

5-1.登壇や傍聴のハードルを下げる

ピッチイベントという名前から、参加自体にハードルの高さを感じるビジネスパーソンは少なくありません。登壇者だけでなく投資家などの聞き手も来場しやすいイベントにすることを心がけましょう。

登壇資格に関しては、アイデアや技術があること、過去に登壇した経験があっても再挑戦できるなどのルールを設けるのがポイントです。投資家などの傍聴者を多く集めるためには、会場への出入りを自由にするなどの工夫が必要でしょう。

開催企業は、開かれた環境で行われるイベントであることをアピールするのがポイントになります。

5-2.リハーサルの時間を設ける

登壇者向けに本番さながらの環境でリハーサルできる時間を設けましょう。本番を想定した状況で練習を行うのと行わないのでは、プレゼンテーションの訴求力も異なります。

ピッチイベントの開催企業には、登壇者だけでなく傍聴者にも満足してもらえる環境の提供が求められます。

5-3.イベント運営会社に企画やPR、運営を依頼する

イベント運営に長けたプロにピッチイベントの運営を依頼することを検討してみましょう。イベントプロデュース会社には最適な運用スキルがあるため、満足度の高いピッチイベントを開催しやすくなります。

株式会社トーガシはピッチイベント当日の運営だけでなく、企画やPR、集客、会場設営など一連の業務を代行可能です。数多くのイベントプロデュース経験をもとに、貴社が開催するピッチイベントを有意義な場にするお手伝いをさせていただきます。

6.ピッチイベントで企業間のつながりを構築し、事業を加速させよう

スタートアップ企業がピッチイベントに参加すれば、投資家やベンチャー支援企業に事業やサービスをPRできるため、資金調達につながる可能性があります。斬新なアイデアを持つスタートアップ企業と投資家や大企業がマッチングすれば、新たなビジネスが誕生するのも想像に難くありません。

ピッチイベントを開催する事業者は、登壇者と傍聴者のニーズを汲み取り参加の敷居を低くすることを心がけましょう。その上で企画や集客、当日の運営を滞りなく行う必要があります。

「スタートアップ企業や投資家などを集客するポイントを知りたい」「ピッチイベントを開催したいものの、当日の運営に不安がある」このような企業は株式会社トーガシにご相談ください。企業間の繋がりを構築し事業を加速させるピッチイベントの開催に向けて、最適な提案をさせていただきます。

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