3DVRとは?よく似た技術との違いや、プロモーション活用事例を紹介

VRとは「Virtual Reality」の略で、直訳すると「仮想現実」になります。VRはゲームや映像ソフトといった、娯楽の分野で幅広く普及してきました。そして、企業プロモーションでもVRや3DVR、360°画像や360°動画を利用した事例が増えてきています。この記事では、それぞれの意味を解説したうえで、ビジネスシーンにおけるさまざまな活用事例を紹介していきます。        

1.3DVR、VR、AR、MR、360°動画の違いとは?

3DVRは、周囲を360度まるごと取り込む3DVR専用のカメラで撮影された映像を観ることで、あたかもその空間に自分が入り込んでいるかのような、大きな没入感を得られます。どの部分を見渡しても立体感のあるVR映像が広がっているので、仮想空間が、より現実世界に近づいたといえるでしょう。ここでは、3DVRと様々なテクノロジーについての違いを紹介します。

1-1.3DVRとVRの違い

3DVRはVRのように、ヘッドマウントディスプレイを「使用しない」360°の視点を変えることができる画像や動画が主流です。VRは2つのディスプレイを左右の目にそれぞれ見せることで視差を生み立体感を表現しているのに対し、3DVRは左目用の映像と右目用の映像を交互にハイスピードで表示することで立体感を表現しています。
3DVRには様々なプラットフォームが存在し、FacebookやYoutubeのようなSNSでも気軽に展開できるようになっています。よくわからない、と思われる方でもGoogleストリートビューをイメージするとわかりやすいかと思います。

1-2.3DVRとARの違い    

ARは「Augmented Reality」の略で拡張現実のことです。本物の画像や映像にCGを合成させ、作り手の望む効果を演出します。画面上の映像で現実と仮想が融合し、多くの情報をユーザーに見てもらえるのが特徴です。例えば、スマホで撮影すると立体映像が出てくるようなものです。

1-3.3DVRとMRの違い

MRは「Mixed reality」の略でARと同じく現実世界と仮想空間の組み合わせです。MRは仮想空間を作りながらも、見ている人間の手で仮想空間を操作することができます。完全な仮想空間でない点でVRと異なり、仮想空間に鑑賞できる点でARと異なります。ゴーグルが必要な点では3DVRと異なります。

1-4.3DVRと360°動画の違い

最も混同されがちなのがこの2つです。360°動画は特定の視点から全方位の映像を体験出来るものです。あくまで1カ所の視点からのみであるのに対し、3DVRは空間を自由に動き回って映像を体験することが出来る点で大きな違いがあります。

2. VRが各業界で活用されている背景

業界を問わず、仮想現実を体感できるVRは大きな広がりを見せています。その背景には、どのような変化があったのでしょうか?

2-1.導入コストの低下

時代とともに、コンピュータやインターネットの技術は発展し続けています。発表された当時は革新的で特別だったVRも、高額コストをかけずに利用可能となりました。膨大な映像データの送受信、処理を行える端末も増えています。つまり、中小企業や個人であっても、VRを導入するハードルが低くなったのです。

2-2.5G回線の普及

VR普及の壁として通信速度がありました。映像の乱れや遅延はユーザー体験を損ねるだけでなくいわゆるVR酔いの原因としても知られています。5G回線は、4G回線よりも大幅に通信速度が向上しVRを使用するうえで快適な通信環境を整えることができます。

2-3.新型コロナウイルスの影響

新型コロナウイルスも要因のひとつでしょう。感染拡大防止のため、従来のようなオフラインの展示会や説明会を行う企業は減りました。そのかわり、オンラインイベントに力を入れる企業が増加しています。オンラインイベントで訴求力のある展示を行いたい企業にとって、VR注目のコンテンツなのです。また、既存の空間である「オフィス」や「自社工場」などの紹介にも頻繁に用いられるようになりました。

3.3DVRによるプロモーションのメリットとデメリットとは?

多くの企業が3DVRをサービスのプロモーションに取り入れてきました。それだけ3DVRにはメリットがあるからです。その一方で、デメリットにも気をつけなくてはなりません。ここからは、3DVRを使ったプロモーションのメリットとデメリットを紹介します。

3-1.3DVRプロモーションのメリット

3DVRを用いたプロモーションには以下のメリットがあります。

遠方の利用者にも体感的なプロモーションを行える

3DVR視聴環境さえ整っていれば、ユーザーがいる場所を問いません。360度パノラマ画像や3DVR専用のゴーグルを介してプロモーション内容を疑似体験してもらうことができます。その結果として、「居住地域によらないマーケティング」も実現するでしょう。ユーザーが現地に足を運ぶ必要もないので、あらゆるエリアのプロモーションを実施できます。

商品やサービスの理解を促進できる

「商品やサービスの理解」も大きなポイントです。3DVRでは商品やサービスの仕様を疑似体験してもらうことができます。Web上で画像や映像を見せたり、テキストで説明したりする以上の説明を行えるでしょう。

インパクトの演出

3DVRの体験は、ユーザーに強烈なインパクトを残します。他社の類似商品・サービスとの差別化につなげやすいのもメリットです。そのため、ユーザーの印象に残り比較の際に有利です。最終的に、ユーザーが商品やサービスを利用するときの決め手になりえるでしょう。

3-2.3DVRプロモーションのデメリット

デメリットとしては、以下の点があります。しっかり対策しましょう。

発信者の見てほしいものを見逃される可能性

3DVRの特性である、自由に視点を選べるからこそ、目的の被写体を確実に見せることができない可能性があります。それを回避する工夫が必要になり、さらに場所を移動できるウォークスルーの機能を使うと、目的を果たすことができる導線計画をする必要があります。また、360度見えてしまうので、見られたくない部分も写ってしまい、フィルタをかけたりして見えなくする工夫や、撮影ポイントの選択が重要になってきます。

デバイス装着に関する問題

店頭の3DVR体験などで「化粧崩れや衛生面」を気にするユーザーもいます。ゴーグルを装着して化粧が崩れたり、他人の使った機材を使いたくなかったりする場合、店頭での3DVRを拒否されてしまうでしょう。そのような場合も、ゴーグルをつけない形で3DVRの映像を体験できるような準備をしておきましょう。

5. プロモーションにおける3DVRの活用事例            

メリットとデメリットを踏まえつつ、いろいろな現場で3DVRは導入されてきました。この段落では、3DVRの導入事例を紹介します。     

5-1.商品・サービスをアピール

業種にかかわらず、3DVRはさまざまな場所で活用されています。まず、オンライン展示会・イベントなどは代表例だといえるでしょう。これらの現場では、サービスを仮想空間でアピールすることが可能です。ユーザーに360度の視点で体験価値を高め、ポイントで商品の紹介や、ECサイトへのリンクや動画を埋め込めば購入につながりやすくなります。このように様々なメディアへの入り口としても活用されています。

その一方で、3DVRだけに偏ったプロモーション活動をしているとユーザーを限定してしまう結果になりかねません。これからの展示会では、オンラインとリアルの双方を上手に組み合わせていくことが重要です。リアルイベントの会場を3DVR上で再構築し、オンライン上でも体験できるようにすれば、リアルイベント終了後もさらにユーザーにプロモーションをかけることができます。

 

5-2.MEO対策・店内や店舗内の風景を伝える

具体性を持ったプロモーションにおいて、3DVRは大活躍します。例えば、オフィス内を3DVRによって回遊できるコンテンツなどです。そこでは企業ホームページなどで3DVRを視聴できるようになっており、オフィスの風景を臨場感たっぷりに見られる仕組みです。さらにはそこで撮影した360°画像を使えば、社内や店舗内の風景をGoogleストリートビューのようにGoogleマイビジネスに連携できます。つまり、Googleマップから直接、ユーザーをコンテンツへと誘導することが可能です。ターゲットの幅が広がり、大々的なプロモーションを展開できるでしょう。     

それらは「MEOMap Engine Optimization)」「ローカルSEO」「ローカル検索」などと呼ばれ、主にGoogleマップ向けの地図エンジンで検索結果が上位に表示されるために様々な施策を行い、マップ検索エンジンへの最適化をすることを指します。地図エンジンの検索結果で上位表示されることで、自身が提供するビジネスの認知を拡大し、来店促進につなげることを目的に実施します。「ゼロクリックサーチ」への対策としても有効です。検索エンジンの検索結果ページで上位に自身のWebサイトが表示されるように施策を行うSEO(検索エンジン最適化)の地図バージョンと考えると分かりやすいでしょう。

5-3. 観光案内をよりリアルに

観光PRにも3DVRは向いています。そのため、観光業者や自治体の多くが3DVRをプロモーションに取り入れ始めました。具体的には、観光地を定点で360度撮影するなどの手法が挙げられます。その映像を3DVRコンテンツとして配信すれば、再生すると観光地を全方位的に見られます。まるで、ユーザー自身がその場にいて風景を楽しんでいるような感覚になるでしょう。単なる映像では味わえない愛着が生まれ、実際の観光客獲得へとつながります。

こうしたPR映像の代表例が「茨城県の観光360度VR動画」です。この動画では、歩行撮影された映像を楽しめます。3DVRによって、ユーザーは自分が現地で散歩している感覚をシミュレートできるのです。リアルな体験で観光地の魅力をユーザーへと存分に伝えられるでしょう。

5-4. 不動産業界では物件の内見に活用

3DVRの特性を効果的に活用している事例が「不動産業界」です。不動産の内見は3DVRに向いたプロモーションだといえるでしょう。まず、3DVRを利用すれば遠方から内見のためだけに物件まで訪れる必要はありません。しかも、新築物件の完成前にも中を見られます。仮想空間で物件の詳細を確認できるため、購入するかどうかのポイントを見極められるでしょう。実際、不動産業界では「VR内見」が一般的になりつつあります。

さらに、「コストや時間の短縮」という点からもVR内見は便利です。従来の内見は物件を訪れるまでの交通費がかかっていました。ただし、内見をしたからといって必ずしも物件を契約するわけではありません。何回も内見を繰り返すようなケースでは、交通費だけでもかなりの出費になってしまいます。さらに、内見にとられる時間も無視できません。現地に行かなくてもできるVR内見なら、無駄なお金や時間をかけずに済むのです。

内見以外では、リフォーム後のイメージ動画でもVRが導入されるようになりました。リフォームは高額費用がかかることもあり、慎重に計画したいイベントです。とはいえ、一般人にはリフォームの完成イメージをつかみにくいという課題がありました。3DVRなら、リフォーム後の家の様子を隅々まで体験できます。ビジュアル面だけでなく、間取りや部屋の雰囲気も感じられるので住み心地を想像しやすいのです。

6. 3DVRを活用したプロモーションで他社と差別化しよう!

新しいプロモーション手法として3DVRは注目を浴びてきました。リモートによる商談、遠方に住んでいたり、現地に来られない見込み客へ十分アピールできるものとして3DVRは有効活用されています。また、リアルイベントを行った際には3DVRで空間を再現することで、商品やサービスのさらなるPRに役立つでしょう。ただし、いきなり3DVRコンテンツを効果的に企画・運用するのは簡単ではありません。展示会やイベントのトータルサポートで実績があるトーガシは、「TEHTA」や「Matterport」による360°VR作成の支援も展開しています。3DVRや360°VRを検討中なら、ぜひトーガシに問い合わせください。

7. ホワイトペーパー・ダウンロード

近年、プロモーションやマーケティングの手法はめまぐるしく変化しています。ここでは「withコロナ時代で加速する、アーカイブ型コンテンツマーケティング”360°VR”の最適解」と題して、ホワイトペーパーを作成いたしました。ぜひご利用ください。

※送信完了後、記入いただいたメールアドレスに資料を送付いたします。

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