展示会の成功はアンケートで決まる!効果的な作成方法のポイントを伝授

ここでは「展示会のアンケート」の重要性や効果的な運用方法について解説していきます。ようやくリアルでのイベント活動が再開してきています。しかし、イベントや展示会を開催すること、また、出展することが目的になっていませんか?

自社ブースの来場者に記載してもらうアンケートは「最強の営業ツール」です。来場者の属性や感想だけでなく、見込み客としての確度も把握することができます。効果的なアンケートを取ることで結果を出し、展示会を成功させましょう!

1.展示会でアンケートを回収する目的

展示会出展の目的は下記のように、

・見込み顧客の獲得(新規リードの開拓)
・商品の訴求(商品をアピールする)
・会社のブランディング(会社の社会的イメージや地名度の向上)
・パートナー企業との情報交換(取引のあるクライアントなどとコミュニケーションをより深める)



などありますが、アンケートを取る目的は大きくこの二つになります。

アンケートのイメージ

1-1. 来場者の確度を図る

BtoBのサービス導入に関する検討期間は1~2年と長く、簡単に成約につながらないことも多くあります。アンケートを取ることで、今すぐなのか、いつごろなのか、などアタック時期の把握や、比較しているサービスの把握ができ、確度別でのアプローチ方法を検討することができます。

1-2.来場者の課題を見つける

解決したい課題がある場合、来場者自身も課題が整理できていないことがあります。しっかりヒアリングし、アンケートを取ることで課題の整理をしたうえで、最適な提案をできれば成約への大きな一歩になるでしょう。

2.展示会アンケートの作成手順

有意義な回答を得るためのアンケート作成手順を紹介します。

2-1.アンケートの目的・目標を定義する

まずは展示会出展の「KPI・KGI」を再確認しましょう。これらを達成するためにアンケートを活用するという意識で作成し、当日ブースに立つメンバー間で共有しましょう。そうすることでアンケートの重要性を認識し、回収率やクオリティーを上げることができるでしょう。回収数自体を目標に含めるのも効果的です。

■KPI・KGIとは

KPIは「Key Performance Indicator」の略です。日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。
目標となる具体的な日程と数値を決めることを「KPIを設定する」と言います。

KGIは「Key Goal Indicator」の略となります。日本語では、「重要目標達成指標」と訳されます。
企業が今後目指す方向性を決めることを「KGIを設定する」と言います。

2-2.ターゲットを決める

アンケートのターゲットを決めることは、質の高いデータを収集するために非常に重要です。展示会には様々な背景を持つ来場者がいますが、全員が貴社の製品やサービスに関心を持っているわけではありません。アンケートを実施する際には、製品やサービスに関心を持つ可能性の高いセグメントを特定することが重要です。ターゲットを絞ることで、より有意義なフィードバックを得ることができ、分析もしやすくなります。

2-3.アンケートフォーマットを検討しよう

中身が決まってきたところで、実際にどういった形で運用すると効果的かアンケートフォーマットの面で考えてみましょう。

紙のアンケート

紙のメリットとしては「だれでも簡単にすぐに始められる」ところでしょう。来場者に回答してもらう形であれば、一番ハードルが低いはずです。

デメリットは「印刷のコストがかかる」「集計に時間がかかる」「紛失のリスクがある」などでしょう。

デジタルデバイスのアンケート

タブレットやPCでアンケートを回収するのが最近の主流でしょう。来場者へのサンクスメールにリンクを貼って後日回収や、ノベルティーにQRコードなどを貼って、そこからアンケートへ誘導したりなども可能になります。Google フォーム等のツールを使えば無料で簡単にアンケートフォームを作成することが可能です。

■Google フォームを活用
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/
Googleが提供する無料アンケートフォーム。Google スプレッドシートと連結することで自動集計や表・グラフの自動生成が可能です。

有料ツールでのアンケート

自社で有料のCRM(Customer Relationship Management)やMA(Marketing Automation)ツールを使用しており、アンケート機能があれば活用しない手はありません。リード情報に紐づいたデータの自動集計から、ナーチャリングや営業フォローが簡単にできるはずです。また、コロナ禍で急速に進化したオンラインイベントのプラットフォームにアンケート機能がついているものもあり、リアルとオンライン同時にハイブリットな展示会を主催する場合などは、ぜひ活用したい機能です。

デジタルアンケートのイメージ

2-4.質問項目を決める

質問項目を決める際には、KPIとKGIを達成するために必要な情報が何かを考えます。例えば、製品に対する意見、サービスへの満足度、購買意欲、ブランドに対する認識など、収集したい情報に基づいて質問項目を設計します。また、回答者の負担を考え、必要最低限の質問にとどめることが重要です。質問は明確で簡潔にし、回答者が容易に理解できるようにします。

2-5.設問を作成する

質問項目が決まったら、それを設問に落とし込みましょう。ターゲットの回答負担を減らす設計が重要です。例えば、選択式は定量的なデータの収集に向いており、自由記述式の質問はより詳細な意見や提案を収集することができます。

回答者の関心を引きつけるような質問から始め、徐々に具体的な質問へと移行するのが一般的です。

3.効果的なアンケートにするための4つのポイント

アンケートの設計ミスで有効な回答が得られていないとしたら、大きな機会損失です。そうならないために注意すべきポイントをまとめました。 

3-1.シンプルで回答しやすい設問にする

設問は、分かりやすい内容を心がけてください。専門用語を使いすぎたり、解釈を回答者に委ねる言い回しをしたりするとアンケートの精度が下がってしまいます。質問者にとっては平易な内容でも回答者のリテラシーに合わせた調整が求められます。

短時間で回答できるよう可能な限り選択式の設問にすることも大切です。アンケートは回答者にとってストレスになるという前提で臨みましょう。目安として、回答時間が3分以内に収まる設計を推奨します。

答えやすいアンケートという観点では、ブースで接客したスタッフ本人が重要項目をヒアリングした後に、アンケートへ記載する「ヒアリングシート方式」もおすすめです。

3-2.BANT条件に沿ったアンケート設計

数を限定し設問を少なくしても、欲しい情報が手に入らなければ意味がありません。見込み顧客から聞き取るべき4つの項目「BANT条件」を意識して設問の設計をしましょう。

BANT条件とはBudget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の頭文字をとったもので、アンケートのみならず営業トークや商談でも使用される重要ワードです。

Budget (予算)
Authority (決裁権)
Needs (必要性)
Timeframe (導入時期)

ただし、この順番では話しにくいので、営業トークをイメージしながらストーリーを考えるようにしよう。例えば「まず、なぜ必要なのか」を理解し、それが「いつ必要なのか」「その決裁権はあるのか」「それに対する予算はどれくらいなのか」といった流れで組み立てるとよいでしょう。

3-3.質問者としてのマナーに配慮する

同じ質問でも、言い方ひとつで聞き手の印象が変わることが多々あります。相手に不用な回答をさせない、相手に圧がかかる質問は避ける、などの配慮は行いましょう。例えば、来場者の決裁権は是非とも知りたい情報ですが、役職は名刺からある程度把握できます。そのため、所属情報の項目は部門と職務にとどめた方が無難です。

このように、無理に答えさせない方が良いもの、別にアンケートで聞かなくても分かるものは設問から省くよう心がけてください。

3-4.個人情報の取り扱いについて明記する

来場者に安心してアンケートに答えてもらうためにも、個人情報の取り扱いに関して次の3点を明記しておきましょう。

・個人情報を取得する理由の明記
・個人情報の管理方法
・個人情報の開示の有無

アンケートの冒頭に注意書きとして次のような文章を挿入すると良いでしょう。

■例文
「記載していただいた個人情報は、弊社商品・サービス向上のための参考情報として利用させていただくことがあります。また、製品やセミナーのご案内をさせていただくことがありますのでご了承ください。ご記入いただいた情報は責任者を定め、紛失や漏洩などが発生しないよう積極的な安全対策を実施いたします。」

4.展示会アンケートにおけるNG質問例

アンケートでやっていはいけない質問例を2点紹介します。

4-1.回答を誘導するような質問

作成者のバイアスがかかっている質問の場合、回答者が誘導されてしまう場合があります。例えば【問1】で「洋服を買う場合、値札を見ますか?」という質問をした後で【問2】で「購入する際に一番気にすることはどこですか?」という質問をすると、回答が「金額」に引っ張られるように、誘導されるような作り方をすると回答に信憑性が失われます。

4-2.個人の尺度で解釈が変わる表現

「最近」「いつも」「すべて」など個人の尺度で変わる表現はさけるべき質問です。例えば「電車で音楽を聴きますか?」という質問の中に本当は「時間帯」を知りたいのに「帰宅時間に、」と入れてしまうと、回答者それぞれで帰宅する時間帯は違うので、回答結果の精度が下がってしまいます。

5.ポイントを意識した展示会アンケートのテンプレート例

アンケートのイメージ

先ほど説明した3つのポイントをふまえたアンケートの一例をご紹介します。

1.お立ち寄り頂いたきっかけは何ですか?(Needs=必要性)

 □商品に興味があるメルマガ紹介既にお取引があるその他( )

 

2.貴社が抱えている課題はどのようなところですか?(Needs=必要性)

 売上コストダウンデータの整理品質その他( )

 

3.購入時期は決まっていますか?(Timeframe=導入時期)

 3ヶ月以内 □ 1年以内検討中導入予定無しすでに導入中

 

4.興味のある製品を教えてください。(Budget=予算)

 競合A □競合B □競合C □その他( )

 

5.職種を教えてください。(Authority=決裁権)

 □生産管理購買開発営業品質管理 その他( ) 

 

6.テスト導入をご希望されますか?(Need=必要性)

 □はいいいえもう少し検討したい

6.展示会アンケートを商談獲得に活かそう

展示会のアンケートを取る目的は、来場者の課題と確度を測ることでした。これらの情報は、効率7の良い商談獲得につながります。せっかくのアンケートを無駄にしないよう以下のアクションを行いましょう。

6-1.アンケート結果をもとに来場者をスコアリングする

「BANT条件」をベースにアンケート結果からスコアリングをつけ、MAツールのような営業活動の優先順位をつけると、インサイドチームや担当営業に渡す際に説明しやすくなります。

例えば、「導入期間が3ヶ月以内」であれば10点、「サービスに興味がある」であれば20点、「決裁権がある」であれば30点などルールを決め、合計ポイントで判断するやり方です。ただし、これらは時間がたつにつれて変わってしまう指標なので、すぐに対応すべき見込み顧客に対してのものと考えましょう。

6-2.来場者のスコアに合わせて迅速なアプローチを行う

展示会終了後のアクションは「スピードが命」です。アンケートをもとに、スコアリングが「高ポイント」の見込み客は、すぐに担当営業をつけフォローしましょう。必然的に商談を獲得しやすくなるため、可能であればその日のうちにサンクスメールやオファーメール送りましょう。

その他の見込み顧客はアンケート内容から「導入検討時期」「興味のあるサービス」「業態」などでセグメントし、マーケティング担当からメルマガなど定期的なコンタクトをとることでナーチャリングしていきます。

7.展示会マーケティングのトータルサポートはトーガシへ

設定した目標をクリアできるようにアンケートを活用し、「事前準備」「当日運営」「事後フォロー」をしっかり考え、結果を残せる展示会出展にしましょう。

トーガシは、イベント展示会の企画・提案からブースの設計・施工、当日の運営から事後の効果測定までトータルでサポートいたします。リアルでもオンラインでもイベントマーケティングもお任せください。課題解決のお手伝いを全力でいたします。まずお気軽にご相談ください。

8.【無料DL】アンケート作成の重要ポイント※テンプレ付き

お客様のニーズや課題を知り、有効リードを獲得する為にはアンケートは必須です。ですが「項目をどうしていいか分からない」という方は多いかと思います。ここでは展示会やセミナー向けのテンプレートが入った「アンケート作成・おさえるべき重要ポイント」として資料にまとめました。ぜひご活用ください!
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